夕張の小さな旅 


3. 平和公園付近から本町まで





清水沢に戻り平和公園を目指す。



  平和炭鉱

  近くに焼きズリ捨て場と書かれた看板
  がある。(ズリとは選炭工場で選別
  された以外の岩石を捨てるところ)
  ここに北炭平和炭鉱があった。
  平和炭鉱は年産100トンを越え、
  夕張で3番目に大きい炭鉱だった。



  北炭化成工業所コークス炉煙突

  この大きな煙突は現在のユーパロ湯の
  駐車場に残されている。
  かつてここに北炭化成工業所があり
  コークス炉の煙突がシンボル
  として保存されている。

  なんでもこの近くに温泉が流れ
  でている場所があるらしい。
  地元の人たちはポリタンクでそこから
  お湯を持ってくるそうだ。






  幸せの黄色いハンカチ思いで広場と石川コレクション

  黄色いハンカチ広場から約2.5キロ程のところに石川コレクション(跡)がある。
  鹿の谷駅のすぐそばだ。都築響一著「珍日本紀行」で紹介され、かねがね石川コレクションには度胆を
  抜かれていたのだが、ちょうど「郷愁のさとミュージアム 生活の歴史館」(夕張石炭の歴史村近く)
  というこざっぱりぱりした博物館になる前にギリギリ訪れることができた。
  化石、鉱石、炭鉱、戦争関連グッズ、靴、洋服、アイヌの部屋etc ジャンルにとらわれない品々、
  チグハグな年代順の展示・・この空間は日常からあっというまに遠ざけ、いつの間にか
  この埃臭い世界のなかに居心地よく自分がすっぽりとおさまっているのを感じさせてしまうのだ。

  この博物館がなくなったのはとても残念だ。私はここで記念に小さな鉱石を買った。

  ちなみに恐竜は石川コレクションのマスコットキャラクターで、この下方にトイレがある。
  こういう場所ではお手洗いに難儀するものだが、センサーで音楽すら流れ出す最高にキレイなトイレだ。






  鹿の谷駅

  めっぽう広い。
  この駅構内はなにか劇をする時にも会場として使われているようだ。




  天気はいいし、線路はまっすぐ続く。

  NHKののど自慢に出ていた夕張在住のおじいさんが「ワシの家は線路がカーブしていたところにあって
  駅で降りるのが面倒臭いもんだから、ちょうどカーブで列車が減速したところを見計らっていつも
  列車から飛び下りていたもんだ」って言ってたのを思い出す。
  昔とはいえ、でもおじいちゃん、かっこいい。
  野原が見える空き地はもと夕張鉄道の「鹿の谷駅」があったそうだ。かつては鹿の谷と野幌を結んで
  いた。機関庫もここにあり、石炭貨車、蒸気機関車が入れ替えを行っていたそうだ。



  次は本町商店街へ。



  本町商店街

  本町商店街は夕張最大の繁華街だ。昔は金融機関やデパートをはじめ多くの商店、飲食店が軒を連ねていた。
  最近急に映画の看板を掲げるようになって、それが風景にとけこんでいるようないないような・・・。

  石切神社へ続く坂道を登る。





  石切夕張神社
  この山頂へ続く階段は見ての通りそれはもうキツイ。
  しかし登りきった後は山頂をわたる風が涼しく、御影石のベンチがあるので寝転がるとその石の冷たさが
  体にしみて本当にさわやかだ。







  石切神社の向かいにはお寺もある。神道も仏教も揃っているのだ。
  おみくじでいっぱいの扉を開けるとアジアンテイストな菩薩様の絵が壁一杯に描かれていた。
  お地蔵様がずらりと並ぶ。

  占いの「棒」を取り出すのがおもしろくて、いつも訪れた時はおみくじをひいてしまう。
  それでも願をかけながら占うとなかなか当たっているような気がする。今日は吉。





  メインストリートのはずれに「歴史村商店街」という当時の
  看板がそのまま残されていた。
  この看板、先ほどの通りにもあったが、店先に映画の看板が
  取り付けられてから「キネマ街道」という新しいものに代わ
  ってしまった。
  テレビや本で昔の夕張本町が紹介されているのを見ると、
  必ずこの看板が映し出されている。
  商店街のシンボルだ。





石炭の歴史村へ



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